9月21日~22日にかけて、岩手県野田村で「自然エネルギー学校 in 野田村」が開催され、首都圏や岩手県からの参加者約20名が、2日間のプログラムを受講しました。
野田村では初開催となった今回の自然エネルギー学校のテーマは、「被災地での自然エネルギーの活用」と「自然エネルギーを担う地域人材の育成」。今後、建設が計画されている市民共同発電所2号機の建設プランを、参加者自らが考え、描くことを目標に、6月に完成したばかりの「野田村だらすこ市民共同発電所」(1号機)の見学とシステム構成の調査、建設候補地の測量を行いました。
候補地となっているマリンローズパーク野田玉川は、日本ではここでしか手に入らない貴重な石が採れる鉱山です。しかし実際に現地を見てみると、同鉱山は南側に面しているため、山の高さが朝夕の低い太陽をさえぎってしまうことがわかりました。十分な日射量を確保しようとすると、太陽光パネルをできるだけ敷地の南端に配さねばなりません。ところがその位置には、昔から住民に親しまれてきた遊具があります。
「子どもが減っていて遊具はほとんど使われていないから、撤去してしまい、その分の売電収入を村に落とそう」
「家族で楽しめる太陽光発電所にしたい。だから遊具とは共存させなくちゃいけない」
「空いたスペースで農作物を育てるものいいね」
次々と飛び出る意見。これらのアイデアと、使用するパネルやパワーコンディショナーの構成、さらにパネルの角度、電柱までの位置などを勘案し、グループに分かれて模造紙に設計図を描いていきます。各グループによるプラン発表では、参加者同士でさまざまな意見が交わされました。建設プランに正解はありません。エネルギーに詳しい人もそうでない人も、一緒になって共に育む(共育)のが自然エネルギー学校のスタイルです。
このほかにも、震災ガイドによる現地めぐりや、独立型太陽光発電システムの組み立て講座、故障診断装置を使った不具合測定体験など、参加型の講座を多く取り入れた主体的な学びの場となりました。
自然豊かな場所で開催する自然エネルギー学校は、自然エネルギーの偉大さを理屈ではなく心で感じさせてくれます。