「太陽エネルギー学校」イベントレポート

8月24日、25日、長野県小諸市の小諸エコビレッジで、「太陽エネルギー学校」が開催されました。小諸エコビレッジを会場に、過去4度にわたって行われてきた「自然エネルギー学校」ですが、今回はテーマを「太陽エネルギーの活用」に絞った特別編。「独立型太陽光発電システム」の組み立てをはじめとする2日の講座に、関東や関西から約30名が集まり、太陽の恵みを活用する知恵を学びました。

ケーブルの被覆はがしや端子の圧着など、慣れない作業に一苦労
ケーブルの被覆はがしや端子の圧着など、慣れない作業に一苦労

キャンピングカーやヨット、ボートの世界では昔から一般的だったオフグリッドの太陽光発電システムでしたが、3.11以降、自然エネルギーへの関心の高まりや、災害時の電源確保を目的に、各地で自作ワークショップが盛んに行われています。こうしたワークショップの参加者の多くが、これまで電気やエネルギーに関心のない人たちです。この日の参加者にも、ケーブルや圧着端子に初めて触れるという女性が多く、慣れない工具の扱いに四苦八苦していました。

パネルにに影がかかると発電量が一気に下がる
パネルにに影がかかると発電量が一気に下がる

太陽光パネル、チャージコントローラー、バッテリー、インバーターの接続が完了したら、屋外に持ち出して、問題なく発電できているかをテストしてみます。ファンやライトが稼働した瞬間は歓声が上がりました。

 

実際に太陽の下、パネルの角度を変えてみたり、影を作ってみたり、電流・電圧を測ってみることで、太陽光発電(以下PV)や電気そのものの理解が深まります。ちなみに翌日は、エコビレッジ内に設置されている市民共同発電所の計測や故障診断を行いました。小さなシステムだけでなく、10kW~50kWクラスのミドルソーラーに実際に触れることができるのは、PV-Netが行う「学校」の大きな特徴といえるでしょう。

小諸エコビレッジ市民共同発電所
小諸エコビレッジ市民共同発電所

そして今回組み立てた独立型太陽光発電システムには、かつて家屋で使われていたパネルを再利用した「リユースパネル」を活用しました(性能確認済み)。今後はバッテリーについても、リサイクルバッテリーの利用を検討しており、このような、まだ利用できる資源の有効活用もわれわれの目指すテーマの1つです。

電気自動車(i-MiEV)を体験中
電気自動車(i-MiEV)を体験中

このほかにも、PVの予測発電量・生涯発電量についての講義や、農業と発電の併業を可能にするソーラーシェアリングの解説、PVと電気自動車(EV)を組み合わせて家庭内の電力をすべて自給するオフグリッドの可能性を探ったりと、太陽エネルギーの力と可能性を感じさせるイベントとなりました。

 

PV-Netでは今回のイベントをモデルに、太陽(自然)エネルギー学校の出張授業を計画中です。自然エネルギー、太陽エネルギーで地域づくりを行いたい企業や行政のみなさまがいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせください。